
有賀リエ連作集『工場夜景』第七話感想です!あらすじも含まれますのでネタバレしたくない方はご注意ください!
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車いすの男性との恋を描き、累計200万部を突破した大ヒット作『パーフェクトワールド』有賀リエ先生が送る社会派のラブストーリーです!両親の起こした事件に翻弄される二人の恋の行方を描きます!ぜひ本編もお楽しみいただけたらと思います!
有賀リエ連作集『工場夜景』第七話感想
碧の元に駆けつけた貴臣
貴臣は碧に何度も電話をかけながら、折り返しくださいとメッセージに入れる。
会社を飛び出し何度も更に電話すると、碧が電話を取りまた知られてしまったと言うと切ろうとするが、かすかに駅構内のアナウンスが聞こえた。
とりあえず電話に出てくれただけでも本当によかったです!
また知られたとうなだれる碧。
引っ越した伯父の家では、叔母が近所でも性犯罪者の家族と噂になりはじめ子供までイジメられたらどうするのかと伯父に責めたてているのを聞いた。
その後も働けない母を病院に連れて行ったり、自分も働くと言いだした弟をなだめて大学費用を捻出した。
そうですよね、、碧の苦労をこうやって時系列でダイジェスト版にすると事件の後も父のせいでどれだけ悩んできたことか、、。自分の犯した罪ならまだしも、家族の犯した罪に長いこと苦しみ続けているのが分かります。。
すると息を切らし駆けつけた貴臣が碧の前に姿を現した。

碧にとったら八年たった今も貴臣がヒーローに見えた瞬間でしょうね。困ってどん底になった自分に手を差し伸べてくれるのは貴臣だと。
貴臣の前から碧が姿を消していた間の8年間、碧は碧で加害者の家族として相当辛い気持ちを味わい更には犯罪を犯した父に代わって一家の大黒柱として機能してきたなど、とてつもなく辛い想いをしてきたわけですから、報われてほしいと願ってなりません、、。
もう後悔したくない
貴臣が上司に碧を見つけたと連絡すると、今日は戻らなくていいから碧を頼む、今後もサポートすると伝えてと頼まれる。
これからどうしようとうつむく碧、貴臣は自分以上に事件を知られたくないと逃げ続けてきたであろうと想像した。
そうですよね。真向から戦い続けられるわけもなく。またその戦いに何か意味があるのかと思いますし、ムダに傷つきたくないですよね。罪を犯したのは父ですから。
貴臣は碧が会社に残りたいなら全力でサポートすると言うと、自分は一目から逃れるため碧との約束に行けずあれが最後になるとは思ってはいなくもう後悔したくないと言い切った。
碧は後悔と言えば、あの約束の日30分早く家を出れば警察に会わず事件のことを知らず工場夜景を楽しめたのに、そしたら一つの突別な思い出があったのにと言う。
すると貴臣がここから1時間だから今から工場夜景に行こうと言うと二人は電車に乗った。

八年の時を経てついにあの約束が果たされるんですね!二人の中で行けなかった工場夜景というのがずっと引っかかっていると思うので、工場夜景を見た瞬間に時間が経って工場夜景を見たと言う記憶に塗り替えられるならすごくいいことですよね!貴臣は8年前のあの日工場夜景を見に行かなかったことを、碧は夏休みの終わりに後少し早く家を出たらと後悔し続けてきたのですからね。もう二人とも十分すぎるほどに苦しんできたので今度こそ8年越しに工場夜景を見ることが出来たらいいなと思います。それですべてが塗り替えられるわけではなくても少しは気持ちが報われるといいなと思います。
二人の本音
工場夜景を見た碧が目を輝かせ、貴臣も笑顔になる。
碧は被害の渦中に置かれているのに一貫して自分と家族を別物に考えてくれた貴臣が奇跡のような存在で、特別なことは望まないからこれからもくだらないことで笑ったりあなたとまたそういうことがしたいと涙を流す。
再会して以来貴臣は碧に後悔してきた気持ちなどを伝えてきていましたが、これまで我慢してきた碧の気持ちがあふれ出した瞬間でしたね。もう涙出ちゃって、、。本当に貴臣の碧に対する態度は一貫して変わらずでしたからね!
二人には常に被害者家族と加害者家族というへだたりがあったが、貴臣はそうしようと涙を流し二人は抱き合った。
上司に簡単に英語を活かせる仕事を手放したくないと率直な気持ちを伝えると、碧がそのつもりなら全力でサポートすると言った。
碧は辛い事件後もただ懸命に英語の勉強を心の支えにするかのように頑張ってきました。そんな碧が今だ事件のせいで能力を活かした仕事を諦めるのは理不尽すぎますから、まずは碧が諦めたくないと言ってくれてよかった!
貴臣は碧と再会したことや同じ職場になったことを話しておらず、碧もまた家族には話していないだろうと察していた。それでも今二人が笑い合えること、尊く感じていた。

作品を読み終えて、再会を果たし心の中にしこりになっていた工場夜景を見に行く約束が、時を越えて果たされたときすごくこみあげるものがありました。二人ともまだ若かった高校生の時からすごく人格者で、、人格者だからゆえに自分の気持ちより周りを優先し、ずいぶんと苦しんできたと思います。それでも自分の気持ちに正直になった二人の本音が胸に刺さりました。ずっと負い目を感じて生きてきた碧にとって貴臣とのこれからがどうなるかは分からないにしろ、自分も幸せになってもいいと胸を張ってもらいたいなと心から思いましたね。
毎日いろいろな悲しいニュースがありますが、どんなニュースにも悲しい背景がきっとあるはずなのでしっかりと考える必要性がありますよね。
碧と貴臣にはこれからの人生幸せに生きてほしいです。
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